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2017年1月28日(土)

グランシップ「中学生のための音楽会」

at: レポート

1月25日、26日ーー
2日間にわたり、全4回の“静岡県内の中学生を対象とした”音楽会が、グランシップ中ホールにて開催されました。
プログラムは
J.シュトラウスII 喜歌劇「こうもり」序曲
ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調
チャイコフスキー 幻想的序曲「ロミオとジュリエット」
一時間程度のプログラム。
指揮:円光寺雅彦
オーケストラ:名古屋フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:菊地裕介 の豪華共演。
曲間では指揮者 円光寺雅彦氏による楽器紹介や曲目解説などもあり、初めて演奏会を聴く子供たちにとっても親しみやすく、充実した素敵な時間を過ごせたことと思います。

ピアノ協奏曲の演奏後、円光寺氏と菊地のトークもあり、オーケストラと弾くことやラヴェルという作曲家について。
また、“音楽”は平和な社会をつくるのになくてはならないものであり、心を豊かにするもの。
心の引き出しを多く持つことは、私たちの“将来”に繋がっていくと話しておりました。

アンコールはJ.シュトラウスIIの雷鳴と雷光(稲妻)
曲の途中からは手拍子を促され、舞台上と客席が一つになったような感覚まで味わわせてくださいました。
円光寺氏は、
“オーケストラはCDでは味わえない迫力を、空気で感じられる醍醐味があります。
大人になった皆さんが、将来「中学生の頃、グランシップで聴いたんです」と会いに来てくれたら……皆さんと再会できるその日まで!”
と締められ、感動的とも言える公演となり、一部提供されました一般席も満席という大盛況で終演をむかえました。

この音楽会は2009年より、“鑑賞教室”という呼称から“音楽会”へと変わりました。
きっかけは2009年に指揮をつとめられた本名 徹次氏。
・「鑑賞教室」と「 音楽会」では弾き手の姿勢も違ってくる。
・音楽や芸術を通して何かを伝えることこそが文化であり、芸術の素晴らしさを伝えるには演奏家の姿勢が大切であるということ。
・プログラムもポピュラーな短い曲を集めるのではなく、“これぞオーケストラ!”と実感できる一曲と小曲の構成に。 等
(今回“音楽会”としては9回目の公演で、協奏曲をプログラムに入れたのは初めてだったそうです。)

おおよそ3200人の中学生が集まった本公演、終演後に偶然ロビーで居合わせた中学生たちが、
「菊地さんと握手したかったね、ラヴェル素敵だったね」
「菊地さんのサインもらいたかったね、また聴きたいね」
と話しているのを耳にし、今回の演奏会をきっかけとし、“将来に繋がるもの”を、私もたしかに感じました。
グランシップではこどもたちの「はじめての劇場」体験をバックアップもしているそうで、音楽をもっと身近に感じ、聴きに足を運ぶ子が増え、さらには弾き手になる子がいるかもしれません。
円光寺氏のおっしゃられたように、“再会”は近い将来、様々な形で果たされることでしょう……!

(N.K)