[ピアノ・テクニック講座]第4弾・第3回
9月15日に朝日カルチャーセンターにて開催されたピアノ・テクニック講座。
第4弾はピアノを弾くにあたって誰もが通る“曲・楽譜との出会い”から“練習方法” “暗譜方法”まで、曲を仕上げるまでの流れを3つに分け、3回にわたり開催いたしました。
第4弾 第3回は暗譜がテーマ。
暗譜をいかに“ストレス”ではなく“味方”にするか、その方法に迫る回となりました。
暗譜の秘訣は、間違えた所を分析。そしてその理由を探ることにあるといいます。
今回取り上げた曲は《ブラームス 間奏曲 118-2》
・ブラームスのつくる独特な響きから、感じたものを覚えていく。
(例;和声の禁則を見つける→それを印象づけることで忘れない)
・指づかいは書くことも大事
(指番号に助けられることもある)
・メロディーに対する和声の響きや動きを把握する。
(手の形や感覚を覚える←これは楽譜をどこではずすかが大事で、手順としては、楽譜を見ていた視線を手に落とすことからはじまります)
また、この曲は1回目と2回目が絶妙に違う曲の例でもあり、
要注意ポイントに初めの段階で気づき、音楽の起伏の違いなどを徹底的に分析することが重要となってきます。
(これはソナタ形式など、提示部と再現部で構成された曲も同様)
無限ループは“ありふれた間違い”の一つなのです。
解説する中で、コンチェルトなどの場合は、本番、どのような響きの中で、オーケストラのどのような旋律の中で弾くのかを把握していないと、一人で練習しているのとは違う環境になるわけですから、2台ピアノで練習する必要性などもお話ししました。
聴覚・触覚・視覚……
決して1つの要素だけで覚えるのは良くありません。
色々な方面、色々な角度から見て覚えることで、何かが機能しなくなった場合でも、
必ず他からフォローできる。
身体の動き等、身体的に覚えるのでは忘れるのも早い。
“構造を言語化”してみることも、1つの要素として解説いたしました。
さて、次回ピアノ・テクニック講座は[表現力 編]となります!
1回目は10月6日(金)
「ピアノで何を歌うか」です。
2回目は12月22日(金)
「ピアノに何を聴きとるか」です。
11月、ピアノ・テクニック講座はお休みとなりますが……
11月17日(金)同会場で、
【菊地裕介 ピアノの世界 シューマン≪幻想曲≫Op.17】を開催いたします!
こちらは11月24日開催の、菊地裕介ピアノリサイタルの演奏曲目である《幻想曲》を、
リサイタルに先立ち、曲の魅力や演奏のポイント、聴きどころを、実演を交えて解説いたします!
リサイタルをよりお楽しみいただける内容となりますので、ぜひご受講ご検討くださいませ♪
(N.K)