【朝日カルチャーセンター ピアノテクニック講座・第2弾 第2回レポート】
2月3日に開催されましたピアノテクニック講座第2回。
テーマは「フィンガリングの奥義」
今回も様々な曲を取り上げ、実演を交えながらの解説がありました。
取り上げた曲は下記の通りです。
♪バッハ 平均律 第1番 フーガ
♪バッハ 平均律 第5番 プレリュード
♪パ・ド・ドゥ集 劇中 ゴットシャルク「タランテラ」
(2月17・18日新国立劇場・バレエ「ヴァレンタイン・バレエ」での演奏曲)
♪ショパン エチュード 25-10
♪ショパン エチュード 25-6
♪リスト ソナタ ロ短調 他
まず最初に扱った平均律。
バッハは、鍵盤のどのあたりを使うのか。ひじの向きはどうなるか等、様々な可能性を考えていないと不都合が起きやすいと説明がありました。
ー何が良くて、何が都合が悪いのか。
不都合が悪循環を呼ぶ恐れもあるが、それで練習してみることで、カバーするポジションや動き(方向)が見えてくることもある。
ー指はどこが足りていて、どこが足りていないのか。
ペダルを使わずゆっくり練習することで、音を平均化し、軌道から脱線しないようにすることができるようになる。
5番に関しましては、指の運びの練習にもってこいの曲であると説明がありました。
「タランテラ」とショパン エチュード 25-10ではオクターヴのフィンガリングについて。
オクターヴの連続には役割分担が必要となり、上の音は3・4・5の指を使うこと。
どこでポジションを変えるかについては、一番楽なものを探し、なおかつできるだけバリエーションを増やし、組み合わせることの大事さを話されました。
3度の連続の例として扱ったショパン エチュード 25-6では、何が小さい動きで弾けるのかを考えること。
リスト ソナタ ロ短調では、どのように動きを平均化し、和音で方向を見極めることをレクチャー。
・フィンガリングとは“集合体”であり、あらゆる“ロジック”の上にあり、そのロジックを見つけるのが練習である。
・ベートーヴェン・シューベルトは鍵盤の“力学”とは違う、超越した何かがあるのに対し、ショパン・リスト・ラフマニノフのようなピアニストが書いた曲は指の動きが思い浮かびやすく、手に馴染むよう書かれているため、無駄がないような配慮がある。
・“行きたがっている方向へ、自然な運びを!”
・他の曲との繋がり、あるいは似た要素があるのではないかと常にアンテナをはること。それらを結びつけていくこと。
・練習のコツとしては、なんでもやってみる価値はあるが、何か一つの練習をずっとしてもあまり意味はなく、様々な練習を混ぜることの方が効果があり、効果のないものはやめ、他の練習方法を探し、“練習した事実より弾けるようになること”が大事である。
等、本講座では“細かい指づかい”から、“練習は時間との戦いである”ことまで。
菊地のテクニックの秘密を知ることができたことと思います。
次回3回目は3月17日(金)テーマは「ペダリングの魔法」です。
詳細
4月28日(金)には、5月10日東京文化会館で行われるリサイタルに先立ち、シューマン「謝肉祭」レクチャー&コンサートが開催されます。
こちらは2月14日よりお申し込み受け付けを開始いたします。
詳細
(※一部宣伝にて、リサイタル日程を誤った記載をしてしまいましたが、正しくは5月10日でございます。申し訳ございませんでした。)
また、毎回たくさんの方にご来場いただいておりますテクニック講座は第3弾開催が決定しております。詳細決定次第お知らせさせていただきますので、お待ちくださいませ!
それでは3月17日、第3回目 講座で皆様にお会いできますことを楽しみにしております♪(N.K)